日本産業洗浄協議会

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「洗浄技術4号」技術論文のサマリー 第4号
特集 工業用洗浄装置の動向 Trend of Industrial Cleaning System

技術論文

マイクロバブル洗浄装置
Chemicals-less Cleaning Technology Using Microbubble
  • 三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 主席研究員
  • 宮本誠 Miyamoto Makoto

 エレクトロニクス分野の脱脂洗浄工程において大量に消費される洗浄溶剤の削減は、地球環境保全の観点から大きな課題である。その抜本的解決を目的として、マイクロバブルといわれる100μm以下の微細な気泡を用いた環境配慮型の洗浄技術を開発し、実用化した。 とくに気泡合一防止剤の開発によって高密度マイクロバブルを実現することができ、その多大な表面積に基づく油脂成分の高い吸着能力と浮上後の気泡破裂による油脂分離を特徴とする新たなリサイクル型洗浄方法である。 その技術概要および量産工程適用の効果などについて概説する。

打力(洗浄力)向上のためのスプレーノズルの選定
Effective Spray Nozzle Selection for Higher Spray Impact
  • 株式会社いけうち 国内営業本部 係長
  • 内田 貴士 Uchida Takashi

  スプレー式洗浄において、洗浄力向上方法の1つにスプレー打力の向上がある。そ の為にはスプレーノズルの選定だけではなく、その使い方および被洗浄物や洗浄装置とのマッチングが不可欠となる。とくに本テーマでは打力向上のためのスプレーノズルの選定要素である圧力・噴霧量・噴霧パターンと噴霧角度・スプレーノズルの構造・噴射方式・スプレーノズルのレイアウトなどについて解説する。

アルカリ電解水による機能性ガラスの洗浄方法
Cleaning Method of the Functionality Glass by Electrolyzed Cathode Water
  • アマノ株式会社 アクア商品開発部
  • 峠 有利子 氏 Toge Yuriko

 機能性ガラスの洗浄において、界面活性剤を含まない水系洗浄剤として注目さ れているアルカリ電解水を界面活性剤の除去剤として使用することで、リンス工程に おける純水の使用量を大幅に削減しつつ、洗浄品質や次工程への影響を最小限 に抑えることが可能となる技術を紹介する。

真空洗浄(水系用)
Vacuum Cleaning(Water-base)
  • 株式会社クリンビー 代表取締役
  • 岡村 和彦 Okamura kazuhiko

 水は表面張力が高く、細い止まり穴や隙間に入り難いため、大気圧洗浄では 洗えない部品が真空洗浄だと確実に洗浄できる。真空洗浄は、「洗浄革命」と呼 ぶにふさわしい技術である。本稿では、真空洗浄の特徴・原理・対象部品と水系 洗浄機への2件の適用事例を紹介している。1件は一般的な5槽式自動洗 浄機で、第1槽の洗剤洗浄と第3槽の純水リンスに、真空超音波洗浄を採用 した。 もう1件は、ワンバス式真空洗浄乾燥機で、1槽で粗・仕上洗浄、リンス、水切 り、乾燥を行なう全自動タイプである。純水あるいはノンリンスタイプのような1液で の処理に向いている。

ハイブリッド真空洗浄乾燥装置
Vacuum Cleaning & Drying Equipment
  • 株式会社アクアテック 代表取締役
  • 堂元雅洋 Domoto Masahiro

 水溶性加工油で汚れた被洗浄物をシミを作らず洗浄するため大気圧方式の 水系洗浄と、グリコールエーテルを使用した真空洗浄および真空乾燥を組み合わ せた6槽式装置を製品化した。最初の水系洗浄では上下揺動と超音波を使用 し、その後グリコールエーテによる真空洗浄で水分の溶解除去と微細な隙間たと えば袋穴の内部の洗浄をおこなう。真空乾燥に先立って多段式真空蒸留再生 機から発生させた蒸留溶剤で仕上げリンスをする。本装置で採用の真空ポンプは ドライルーツ式で、ポンプの吸込み口の配管はすべて加熱している。また真空ポンプ からの排気やミストは凝縮機で冷却回収している。   溶剤の蒸留再生によるランニングコストの削減、および排気回収、自動排気、防 爆などのシステムの付帯により環境対応、安全対策を実現している。

部品洗浄装置への産業ロボットの適用
The Parts Washing Machine Furnished with Industrial Robot
  • 森合精機株式会社 装置事業部開発課 課長
  • 松村 繁廣 Matsumura Shigehiro

 自動車のエンジン、ミッションあるいは油圧機器などの基幹部品はいずれも高機 能な加工部品であり高い清浄度を必要とされる。これを達成するために進化の著し い産業ロボットの優れた特長を洗浄に適用し、高い洗浄精度の得られるロボット洗 浄装置を商品化した。 本稿では産業用ロボットの特長を述べるとともに、洗浄装置への適用で行なった技 術検討の概要を紹介した。またロボットを導入した洗浄機の実例として、ロボット先 端軸にスプレーノズルを取り付けた気中洗浄装置や、洗浄室内の固定ノズルと洗 浄部品のチャック機構をもつロボットアームを組み合わせた洗浄装置などを紹介し た。



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