第32号メールマガジン 2017年03月27日配信
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日本産業洗浄協議会 メールマガジン 第32号
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第32号をお送り致します。
今回は、(1)洗浄今昔物語Vol.2
(2)JICC会員の紹介
*このメールは、日本産業洗浄協議会の各種イベントでお預かりしたメールアドレス宛に
お送りしています。不要な方は、末尾にてその旨ご返信下さい。
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トピックス
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洗浄今昔物語Vol.2
今号は『産業洗浄 No.18』に掲載されましたコラム「洗浄今昔物語 Vol.2」を、
メルマガ読者にご紹介致します。
JICCが設立された1994年頃のオゾン層問題のあれこれが興味深く語られています。
環境省の課長がわざわざ
話を聞きたい?!
部品洗浄の装置はつくってないが
・・・・話せば長い
大和化学工業(株) 土井潤一(代表取締役)
洗浄について今と昔を語れと言われて少々頭を痛めている。現在、私の会社の製品は、洗浄に
かかわるものの、部品洗浄の装置を生産していない。我が社の主力商品は洗浄時に使用した水や
溶媒を処理する機械だからだ。話せば長い。20年前はCFC113を使用したフッ素ドライクリー
ニングの機械を生産していた。今の日本では死語となりつつあるオゾン破壊物質である。
この物質が使用できなくなると聞いた。使用できないクリーニング機となれば、会社の死活問題
である。情報が必要であった。政府に聞く、産業洗浄協議会にも入り、色々世の中の動静を集めた。
オゾン層破壊対応に関して、当時の通産省に行って話を聞く、産業洗浄協議会関連でも議論をする。
そんなことを繰り返すうちに、大気汚染防止について少しずつ詳しくなった。そしたら、環境省の
課長が話を聞きたいと洗浄総合展示会にわざわざ来られた。2001年のことだ。話を聞いている内に
やばいと感じたがもう遅かった。話が終わったときには、大気環境問題にどっぷりと浸かってしま
った自分を見た。VOC(揮発性有機化合物)対策の審議会への参加要請が来た。
当時は、旅費もでない、手弁当の活動であった。乗りかかった船だ、行きつくところまで行って
みようと参加した。審議会では、原因物質の件について調査分析をして、対策を考え、規制値を
きめること議論した。会議とは工場の脇で飲み物を持って数人で話すものと思っていたが、観客席に
囲まれたテーブルに座って意見を言う審議会は別世界と感じた。
当時の測定結果では、NOx、SOx、オキシダント、塩素化有機物等色々なものが出てきた。その中
には原因物質が判らない化学物質まで出てきた。化学物質の規制濃度を決めたり、出さないための
対策を話し合った。その中で印象的なことがあった。VOCの問題で大手化学プラントの経営者は
大型・高性能のガス回収機の設置で解決できるという。町で印刷している会社や部品を洗浄している
中小企業ではそんな投資ができるわけがないと感じた。「溶媒を飛ばさない・漏れないようにすると
節約できる。それが利益につながるという啓蒙活動を展開しないとうまく行かない。」と主張した。
発想の転換が必要であった。利を諭すような活動が心に響くと感じた。
会社の社長なのか、審議会のメンバーなのか判らない状態が続いた。そんな時に、溶媒や水分を
減らして廃棄物を軽量化できる面白い方法があるという者が会社にいた。環境問題でいっぱいの頭の
中から「廃棄物が減るイコール新しい機械の需要」という公式が出てきた。大企業が環境にお金を
使って投資をするのに対して、資金力のない中小企業は知恵を絞るしかないと工夫に工夫を重ねて、
「減」という乾燥機を開発した。
環境はビジネスになるとよく言われるがそう単純ではない。生活水準が良くなれば。良いもの
心地よいものが好まれる。この変化は大きく来たり、徐々に来たりする。この流れを読まないと
ビジネスにはならない。隣の大国で変化が出てきている。審議会に参加していた関係もあり隣国との
政府関係者にも知り合いができてよく通っている。隣国の環境問題が多く報道されているが、石原
元東京都知事がディーゼル自動車からの煤を報道陣の前で振って、PM10の削減を主張したのは
平成14年の半ばのことだ。環境先進国と云っても15-年程度進んでいるだけだ。でも、この15年は
大きい。日本の経験を生かして、他国でも少しずつ実績を上げる方法を模索している。
コピー大国と云われる隣国である。情報管理に厳しくしなければならないかもしれない。しかし、
私は機械の写真を撮りたいと言われればどうぞと答える。図面を見たい、どうぞと答える。機械を
コピーされるのが怖くないか聞かれれば別にと答えている。機械をコピーして販売されてもたいした
ことはないと感じている。洗浄の世界でも、産業廃棄物の世界でも、同じ物はないからだ。
お客の要望をしっかり聞いて、対応することが重要であり、その要望の裏を読み取ることがノウハウ
だからだ。でも、特許はしっかり押さ抑えておいた。(これは重要です。)
経済学部の出身であり、大学では化学・機械には縁がなかった。高校時代の受験勉強で使用した
チャート式化学の参考書は今でも会社の机の中にあり、使用している。機械については会社で学んだ。
ドライクリーニング機から環境対策装置への転換は大きな変化と思っていない。経営とは何かと
考えているうちにこのようになった。環境で役立つものをビジネスにする。これが課題になった。
日本の環境技術が進んでいても、単純に売れるものではないと感じている。
「どのようにビジネスにするか。」といつも考える。
これが必要と痛感する今日この頃です。
(2)JICC会員の紹介
【日進化成株式会社】
日進化成株式会社は1958年に設立した専門商社です。主要取り扱い商品である「各種セル
ロース誘導品」「医薬品添加剤等の製剤原料及び化粧品」「各種高機能樹脂や機能性コンパウンド」
「各種工業用洗浄剤」「建材資材販売及び住宅システム運用」等の提案・販売を中心に、多岐に
渡る業界に展開し、日々活動しております。
当社は昭和40年代前半より工業用洗浄剤販売に携わっております。現在では、著しく変化する
環境動向に順応するための各種工業用洗浄剤を取り揃え、市場・ニーズの変化に対応できる洗浄
システムをご提案しております。
私たちはフレッシュな情報・スペシャリストとしての蓄積したノウハウを持って速動し、情報から
価値を、そして市場を創造していくことで、人・社会・環境のより良い関係を築きます。
会社URL:http://www.e-nisshin.com/index.html
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シリーズ連載 洗浄にかかわる用語解説
(78 アブレーションレーザー 79 臨界ミセル濃度)
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78.アブレーション Ablation
レーザー照射などにより材料の表面が蒸発、浸食によって分解する現象のこと。
79.臨界ミセル濃度 cmc: Critical Micelle Concentration
水または油の中で界面活性剤分子が集まり、ミセルを作り始めるときの界面活性剤濃度のこと。
水の中に界面活性剤を溶かしてゆくと、界面活性剤分子は水の表面(界面)に親油基を向けて吸着する。
しかし、界面活性剤の濃度が上がると水の表面が飽和し、吸着する場所がなくなってしまう。すると、
溶液中の界面活性剤の分子は水中でお互いの親油基を向け合って集まり、ミセルという会合体を作る
ことによって水との親和性が増す。界面活性剤による洗浄、乳化、分散、可溶化などの作用は、
cmcを越えてミセルが十分にできた状態で初めて現れる。
(以上は、産業洗浄技術情報誌「産業洗浄No.10:2012年9月」より抜粋)
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最後までご覧いただきありがとうございました。今後ともご愛顧のほどよろしくお願い致します。
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日本産業洗浄協議会(JICC)事務局
Japan Industrial Conference on Cleaning
住所:〒105-0011 東京都港区芝公園1-3-5 バルコ御成門6F
電話:03-5777-0791 FAX:03-5777-0675
URL : http://www.jicc.org/
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